Read Books and Authors

鷲の人、龍の人、桜の人

キャメル・ヤマモトさんの「鷲の人、龍の人、桜の人――米中日のビジネス行動原理」

それぞれの国の人の行動そのものを書いたりする本がたくさん見られるが、これはもうひとつ掘り下げて行動原理を探ろうとする面白い本なのだ。

キャメルさんは元々日本の駐中東外交官で、その後、コンサルティングファームに入り、東京・Silicon Valley・上海でコンサルタントをしていた。私は上海東京で何回お会いしたことがあるだけで深くは知らなかったが、この本を読んでなかなか鋭い人だと思った。

分かりやすくするため、極端に「アメリカ人は基準を生み出し使う人、中国人は圏子を作り使う人、日本人は場を生み出し染まる人」とタイプ分けして、それぞれ観察した事実で説明をする。

私が本を読むときに、これは事実か著者の思いか、そして本全体にわたる比率はどうかを見る癖がある。キャメルさんのこの本を読んでいると、自分の思いを延々と書く説教型の本と違って、本人の目を通してとは言え、観察した事が書かれている。こんな目を持っている人が周りにいることを知ってしまうと、ぞっとして小さくなる(笑)。

「日本人には、中国人はかなりストレートにものを言うように見えますが、アメリカ人から見ると、逆のようです」――これはまた面白い。

一回Harvard Kennedy Schoolで、中国のとある国有銀行のtop managerを勤めるアメリカ人の講演を聞いたことはあるけど、彼の口から出た事情:公式な組織図と違ってもう一つ人的な関係図が働いている・中国人の間ではしがらみがあって言えないから、私のような外国人が動きやすい・・・
私が「これ、日本のことじゃん、務めている国を本当に知って言っているのね」と思ってしまった。

最後にアメリカ人と中国人から良い所取りで、日本人のグローバル化の処方箋を提示。さすがに外務省の出身で、問題意識が大きい。ある意味、理想主義者?私も中国人がアメリカ人と日本人の良い所取りをしてほしい気持ち一杯で、気持ちはよく分かるが、実際にできることはなんだろう・・・「窮則獨善其身,達則兼済天下」、天下を変えるにはまず自分からか・・・鷲の人、龍の人、桜の人、私は何の人だろう・・・

アマゾンへのリンク
http://www.amazon.co.jp/鷲の人、龍の人、桜の人―米中日のビジネス行動原理-集英社新書-キャメル・ヤマモト/dp/4087203816

| | コメント (1) | トラックバック (0)

紅楼の夢

最近、最愛の小説「紅楼夢」を読み返っている。
中国史上、四大名著と呼ばれる「水滸伝」、「西遊記」、「三国誌」、「紅楼夢」の4冊の古代の小説なかで、私のもっとも好きなのは「紅楼夢」。「水滸伝」、「西遊記」、「三国誌」は歴史に実在する人物をベースに描いた作品に対して、「紅楼夢」は完全にfictionの話なのだ。
作者の曹雪芹は清の時代の高官の孫で、祖父の時代は権勢絶大の名門だったが、政治闘争で負けてしまい、彼の時代になると既に一文無しになっていた。彼自身は雲から泥に落ちたこのプロセスを見て悟りを開き、10年も?の歳月を掛けてこの小説を書いて、50代で死んでしまったのだ。
「紅楼夢」は何を書いているかについて、中国では「紅楼夢学」があるくらいいろんな説があるが、基本的に名門家族が「栄」から「荒」への悲劇なのだ。古代中国の食文化・茶文化・行楽・詩賦・教育・奢侈生活等等集大成と言えよう。
私が注目しているのは小説の中の何十名もの人物。以前中国の小説は王朝の統治を維持する視点からか、組織の切り口から人物の理想化することが多いが、この作品だけは、ficationだが、individualの人物(特に美しい若年の女性)の性格をありのまま、そしてこの大きい変化を迎えたときの赤裸々の気持ちや態度を描写し、また前世今生の因果関係でその必然性を説明する。中国では珍しい現実的で、誰でも知るようなキャラクターを一杯作った作品である。
読む度に、曹雪芹が偉いなぁと思ってしまう。これだけの人物をこれだけ真実に描写できるのは、作者が相当に人を見ている、sensitive且つ人生に対する認識が深いに間違いない。彼は後世に名を残す小説より、自分の血肉で心の中にある世界を書いただけだと思う。50代でpass awayだとしても、このような人生、ステキだね。

「紅楼夢」について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E6%A5%BC%E5%A4%A2
http://www.amazon.co.jp/%E7%B4%85%E6%A5%BC%E5%A4%A2-1-%E5%B9%B3%E5%87%A1%E7%A4%BE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-162-%E9%9B%AA%E8%8A%B9/dp/4582761623/ref=pd_sim_b_10

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Boston Classic Group

大分前から、BCG(Boston Classic Group)という読書会に参加している。Boston地区の中国学生たちの自発組織で本を読んで週に一回集まってdiscussionをするgroupだ。(ちなみに、「だ」を使う度に、早大の佐渡島先生のお教えを思い出して~「だ」は小学生まで、院生は使いません~、一方、前職のmanagerによれば~「である」は自衛隊を連想させる~・・・自衛隊より小学生のほうが似合うと思って・・・余談だった)

これは本当にためになっている読書会。

一因はclassicというので、古典しか読んでいない。PLATO, KANT, CHRIST,孔子・・・私も今まで実は真面目に古典を読んだことなく生きてきた人間なんで実際読んでみて超々びっくり。正確に表現しにくいが、大体古典のframeworkを使って今まで仕事上でも学問上でも考えたことが見事に入る。普段いろんな本を読んで、言っていることが分かるかもしれないけど、どこの話をしているか、なんでこんな話が出てきたが、と自分の中で整理がつかないので結局分かることにならないね。

例が妥当かどうか分からないが、例えばcoachingという言葉を聞いたときに、「教える」とは分かるけど、何の話をしているかな?みたいな。多分師匠が何かしらの理論を纏めて教える方法に対して、もともとその人の持っているものを出せるように誘導するという意味のnew conceptだろうか。そう考えれば、PLATOの持論の「reflection」,「recall」理論にかなり近い:人とはそもそも知識や才能を持つもので、師の役割とはそれらを引き出すこと。とか。

本がいくら良くても深くて分かりにくければ意味がない。幸いなことに、THIS IS BOSTON!目茶目茶優秀な大学の優秀な学生ばかりだから!それぞれ専攻が違っていろんな角度からdiscussionして深く掘れているように感じる。

随分勝手な解釈かもしれないが、「謙虚」とは何か美徳のように伝えてきたけど、本当は「美徳」ではなく、極自然なものではないかと思って。もっといろんなことを知っていれば自分の限界を知り、他人の意見を伺いたくなるjust like that's it肩に力が抜いた状態。すげぇ~いつかこんなふうになってみたい~。

careerにはすぐ使えるものの勉強が多いと思うけど、人生に一度、こんな、すぐ使わないものに時間をかけることができるとは、とても素敵なことだ♪LOVE BCG♪

| | コメント (2) | トラックバック (0)

The Story of Psychology

今年は「万巻の書を読み、万里の道を歩き」の年にしていることで、特に普段落ち着いて読めなさそうな本にchallengeしている。そう言えば、harvardの中国の留学生たちとBoston Classicという読書会で難しい本を毎週集まってdiscussすることになって非常に勉強になっている。それに関してまた後日お話をしたいと思うので、今日は別の話で。
私はfocus on peopleをcareer domainにしたので、peopleを理解する入り口としてpsychologyの著書を探してこの本にたどり着いた。
入門書として、非常によい本だと思う。心理学がGreeceでPlatoなどの哲学から起源し、Sigmund Freudの基礎理論を経て、行動心理学から認知心理学へと、いろんな流派を持つ一つの実証的な学問になる推移を語り、最後、現代におき、心理学がhuman resource/leadership/advertiseなどに実際どのような応用をするかを紹介してくれる。
大体いろんな本はいろんな人が自分の言いたいことをいろんな角度から書くことが多いが、この本は違って心理学を知るためのmapだと言えよう。著者Morton Huntは、なんか淡々と事実を述べる形をとり、さほど自分の意見を出していないように見えるが、振り替えてみれば、完全に2000年にわたる歴史を彼の目を通して私が読んでいることに気付いた。心理学の物語ではなく、Morton Huntが思う心理学の物語だね。いつも読書をするとき、本を書く人のイメージを考えてしまうが、どんな人だろうね。internet searchをしても About the Author: Morton Hunt is an award winning science writer who has writen for The New Yorker,The New York Times Magazine and Harper's among many other publications He is the author of The Natural History of Love, and The Universe Within. He lives in Gladwyne, PA.でしか出てこなかった。心理学者ではなさそうだが、ここまで理解することができれば大したもんだなと思って。
大変勉強になった本である。
The Story of Psychology
http://www.amazon.com/Story-Psychology-Morton-Hunt/dp/0307278077/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1220913920&sr=1-1

| | コメント (0) | トラックバック (0)